理論とは何ぞや

自然科学や社会科学、あるいは「科学(Science)」では、
大抵の場合、理論(Theory)が存在する傾向があります。

この議論をする場合、科学とは何ぞやという定義に纏わる
科学思想について考察する必要がありそうです。
が、面倒などで(汗)、そこは省きます。

今回は「国際関係論の理論とは何ぞや」について僅かながら
議論できればと思います。


私達の存在している国際社会は非常に複雑な事象から出来ています。
何故なら、意志を持ったアクターが多数存在し、相互に作用しあうからです。
(また、自然科学とは異なり、説明する対象に関してその他の条件を操作し、
実験することは簡単なことではありません。)

この複雑な現象のとある「法則(law)」が何故起こるのか、どのような
カニズムで起こるのか、これを説明するものが理論であると考えられます。

Guide to Methods for Students of Political Science

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Stephan Van Everaによると、理論とは現象の原因と結果を
仮説・記述・説明する言説のセットというだそうです。
つまり、理論によって現象を説明することが可能になるといえます。
そして、理論を活用することで事象に対する説明、予測、処方を提示する
ことも出来ます。

ただし、理論の問題点は、その理論が本当に現実と合致するのか、
政策を正当化するために作られた理論ではないのかなどが挙げられます。
そして、理論が存在することで、事象に対して先入観を持って観察してしまう
おそれもあります。さらに、理論の誤りに気づくことなく政策を提示する
危険性も在り、問題山積です(汗

以上の事から、理論は物事を観察した際の説明に役立つが、安易に
理論を鵜呑みにしてしまうことに注意する必要があるということになるのでしょうか。