国際関係論の理論

vassal_hiroです。結局戻すことになりました。
ご迷惑お掛けします(汗


前回は分析のレベルについて書いたので、今回は具体的な理論の内容について触れたいと思います。
国際関係論の理論体系は3つ上げられます。それはリアリズム(Realism; 現実主義)、リベラリズム
(Liberalism)、コンストラクティヴィズム(Constructivism; 構成主義)です。
箇条書きにまとめると、こんな感じに分類できます。


1.リアリズム
 ・分析の対象は基本的に国家。あるいは国際システム、国内政治、人間の認識も含む
 ・分析の要素はパワー。軍事力や経済力、あるいは戦略など
 ・基本的には「なぜ戦争が起こるのか」という問いがバックグラウンドにある


2.リベラリズム
 ・分析の対象は国家および国際社会におけるアクター
 ・分析の要素の主なものは経済的な相互依存関係など
 ・「どうすれば戦争を防ぐことが出来るのか」が中心的課題


3.コンストラクティヴィズム
 ・分析の対象は国家や政策決定者など?
 ・分析の要素は認識や言葉、アイデンティティー、文化など
 ・間主観性をキーワードにし、リアリズムなどの合理性に懐疑的


冷戦期に比べるとリアリズムの圧倒的な優位はなくなってきておりますが、現在も欠かすことの出来ない
理論体系の1つであります。ただし、対外政策を策定する場合はこれら理論を組み合わせて使用される
ようです。


例えば当時の麻生太郎外相の主導で唱えられた「自由と繁栄の弧」は、リアリズム的でもあり
リベラリズム的でもあり、価値観を含むものでもあります。


説明をかなり省いているので、理論に関心のある方はこちらをオススメします。

国際関係理論 (勁草テキスト・セレクション)

国際関係理論 (勁草テキスト・セレクション)

The Globalization Of World Politics: An Introduction to International Relations

The Globalization Of World Politics: An Introduction to International Relations