ネオクラシカル・リアリズム4
vassal_hiroです。
いつもなら既に就寝している時間なんですが、土曜日はどうも廃退的な生活になってます(汗)本日は平日どおり5時半におきて、二度寝ならぬ三度寝をやらかして、午後からはぱらぱらとコーディング(というよりもコンストラクションの)本をめくってただけです。
![CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51E1DYKHW7L._SL160_.jpg)
CODE COMPLETE 第2版 上 完全なプログラミングを目指して
- 作者: スティーブマコネル,Steve McConnell,クイープ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2005/03/26
- メディア: 単行本
- 購入: 44人 クリック: 1,166回
- この商品を含むブログ (288件) を見る
と、やたら生活臭のある(?)雑談はさておき、ネオクラシカル・リアリズムですよ!!!!!こんなの、一体誰が読むんだ、と思っている方は確実にいらっしゃるでしょうが、おっちゃんのたわごとだと思って温かい眼で見守っててください(汗
さて、前回までの議論で、ネオクラシカル・リアリズムは独立変数として国際システム(ウォルツでいうところの第三イメージ論)を、媒介変数として国内政治(第二イメージ論)あるいは政策決定者(第一イメージ論)の変数を使用していることを明らかにしてきました。となると、では具体的に国際システムをどう分析しているのか、国内政治や個人をどう分析に落とし込んでいるのか問題にあがってきます。そこで、今回は、ネオクラシカル・リアリストにとっての国際システムとは何か、国際システムをどう分析しているのかについて書こうかと思います。前フリが長いな…w
国際システムの変数として代表的なものは、ウォルツのネオリアリズムと同様に国際システムにおける国家のパワー分布ですね。具体的に誰の議論が該当するかというと、シュウェラーやクリストファー・レイン(Christopher Layne)なんかがその例に当てはまります。彼らは、ネオリアリズムと同様にパワー分布を独立変数として理論を構築しています。一方で、クリステンセンの理論の独立変数は、安全保障を獲得するために国家の力(resource)の動員を必要とする国際的難問(international challenge)です。国際的難問とは、国際システムにおいて国家が他国から受ける脅威を意味するようです(challengeは挑戦と訳してもいいんですが、しっくりこないのであえて難問としてます)。このように、ネオクラシカル・リアリストたちの間で変数の設定が厳密には異なるのですよ。よって、ネオクラシカル・リアリストたちの理論を扱う際には注意する必要だといえますね。それでは、ネオクラシカル・リアリズムの理論における具体的な独立変数を具体的に見ていきましょう。
例えば、シュウェラーは第二次世界大戦のドイツの開戦に関して、まずシステムの観点から分析を行ない、それに加えてヒトラー個人に焦点を当てて説明を試みています。システム分析(大国の相対的な能力の計算)に当たって、シュエラーは「戦争の相関因子(Correlation of War; COW)プロジェクト」のデータを使用しています。COWの能力の計算は、軍事力、工業力、そして人口の3つの要素から求められるようです。シュウェラーは、求められた大国の能力を0.00から5.00までの数値に変換し比較することで、国家間の相対的なパワー分布を計算しています。そして、シュウェラーは、第二次世界大戦のヨーロッパはドイツ、ソ連、イギリス・フランスの三極構造であっため、不安定であったと主張している。
![Deadly Imbalances: Tripolarity and Hitler's Strategy of World Conquest Deadly Imbalances: Tripolarity and Hitler's Strategy of World Conquest](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41jFPR8jvtL._SL160_.jpg)
Deadly Imbalances: Tripolarity and Hitler's Strategy of World Conquest
- 作者: Randall L. Schweller
- 出版社/メーカー: Columbia Univ Pr
- 発売日: 1998/02/01
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
![The Peace of Illusions: American Grand Strategy from 1940 to the Present (Cornell Studies in Security Affairs) The Peace of Illusions: American Grand Strategy from 1940 to the Present (Cornell Studies in Security Affairs)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51oc6OG8LqL._SL160_.jpg)
- 作者: Christopher Layne
- 出版社/メーカー: Cornell Univ Pr
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
![The Elusive Balance: Power and Perceptions During the Cold War (Cornell Studies in Security Affairs) The Elusive Balance: Power and Perceptions During the Cold War (Cornell Studies in Security Affairs)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51VcjVbnffL._SL160_.jpg)
The Elusive Balance: Power and Perceptions During the Cold War (Cornell Studies in Security Affairs)
- 作者: William C. Wohlforth
- 出版社/メーカー: Cornell Univ Pr
- 発売日: 1993/09/01
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
![Useful Adversaries: Grand Strategy, Domestic Mobilization, and Sino-American Conflict, 1947-1958 (PRINCETON STUDIES IN INTERNATIONAL HISTORY AND POLITICS) Useful Adversaries: Grand Strategy, Domestic Mobilization, and Sino-American Conflict, 1947-1958 (PRINCETON STUDIES IN INTERNATIONAL HISTORY AND POLITICS)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/4179d-3q%2B5L._SL160_.jpg)
- 作者: Thomas J. Christensen
- 出版社/メーカー: Princeton University Press
- 発売日: 1996/10/28
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
次回はネオクラシカル・リアリズムと国内政治・個人について書こうと思います。
ではでは。